House T

重厚な門構えを持つ伝統的な入母屋の邸宅。紐熨斗瓦で一段と高く上がる大棟は深い陰影を作り、格式と威厳のある佇まいを放っている。大棟から流れ降りる降棟は、ゆったりとした「むくり」から、空に抜けるように持ち上がる隅棟の大らかな曲率へとつながる。四方八方を守る鬼瓦には、家紋を掘り込んだ覆輪を据えている。小瓦が葺かれた塀と連続する門の屋根には、躍動感を表現した一対の龍と6体の逆立ちする獅子が飾られている。播磨地方の邸宅にふさわしい門構えを実現した。
YEAR 1980