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本堂
常行院は、680年に開山された田福寺の寺域内の一つで、明治時代に田福寺常行院となった由緒ある寺院。2007年の本堂再建・整備にあたって、本堂、客殿及び山門の屋根の瓦製作と施工を光洋製瓦が担当。瓦の焼成から葺き上げまでを、約1年間をかけて行った。
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本堂(南側)
本堂の大屋根の傾斜と調和するように、客殿の入母屋屋根を葺き上げている。大屋根が受ける雨は時に大量の水を流れ落とし、大屋根と連なる屋根の谷の箇所の耐久性や居住性に影響が出やすくなるため、社寺建築の瓦葺きのノウハウと高い技術を必要とする。水の逃げと止水を考慮して、葺き方を工夫するだけでなく特性の谷脇瓦を製作するなど、瓦一枚の形状にまで技術が詰まっている。
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本堂(鳥伏間)
大棟から流れる降棟のラインは、稚児棟・隅棟へと連動し、上空に円を描くような曲率に葺き上げる。四方八方の棟の先端に収められた鳥伏間も、その曲率に合わせたアールに仕上げることで、美しい屋根となる。
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本堂(鬼瓦)
大棟両端の大きな反りと連動するように顔を上げ、鬼瓦が眼下を睨みつけるように飾り付けられている。
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山門(鬼瓦)
本堂と同様に甍巴瓦を棟に配した屋根には、正面を睨みつける一対の降り鬼瓦と、隅蓋には一対の獅子を配置している。
名称 | 田福寺 常行院 |
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所在地 | 兵庫県加西市山下西町1394 |
竣工年 | 2007 |